ファンタジーを廃した異色PCゲーム『加奈~いもうと~』

ギャルゲーによくあるコミカルな世界を廃し、不治の病は不治の病であり、精神論ではどうにもならんという現実の厳しさを描きつつも、何故人は死ぬのか?完璧な人間がいないのは何故か?という深いテーマも描いています。

 

現実の俳優が演じても成立しうるドラマ、ということを意識して作成されているようで、そのせいか、極端な個性というものが無く、キャラデザ、会話はリアリティ重視。

超能力、奇跡や魔法も登場しない。ようは萌え要素が皆無です。

 

クラナドがいい例だが、普通、ギャルゲーに出てくる両親は変人が多いが、このゲームに出てくる親は一般的人格の持ち主で無個性。

それはそれで新鮮だし、この世界観には合っている気がしました。

 

闘病モノで病名や闘病中の描写がわりと詳しく描写されているのは珍しいかと。臓器移植の話題も出てきてなかなか興味深かったです。

 

そしてEDが一般的に見てハッピーとは限らないものが多いが、それは死が絶対に回避されなければならないむごい結末であるという考えがこの作品のテーマに反するからだそうな。

 

死んでも、周りの人々の心に残ればそれは消滅したことにはならない。

主人公が加奈の日記を書籍化したのもその考えからではないかと。

 

シナリオはボロボロ泣くとまではいかないまでも、加奈が精神的に成長していく様と、なんとかしてやりたいとする兄の心情の変化、そしてEDにはジーンときました。